今思えばRound15の大明神の試合を応援できなかったのは心残りではある。
吉祥寺常連勢の健闘を祝し、カバレージをしたためてみた。
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Round9 Ishida, Shinpei [JPN] vs Kokubun, Hiroshi [JPN]
MMA2015を6パック使ったシールドで、パックから出て欲しいカードと言えば何だろう?大概のプレイヤーは「タルモFoil!」と答えるかもしれない。参加費どころか宿泊代や交通費までペイできる高額レアなら誰だって欲しい。
ご存知のとおりリミテッドGPではチェックパック時にドロップすることで、剥いたパックをそのままお持ち帰りできる。実際、GP千葉の会場では高額レアが出たことを理由にチェックパック時点でドロップしたプレイヤーは一定数いた。
では、値段とか関係なしにリミテッドで強いから引きたいカードは何?という問いならばどうか。よく上がるカードは《鏡の精体/Mirror Entity(MM2)》、《不敬の命令/Profane Command(MM2)》……
そして《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(MM2)》。
第8ラウンド時点で我らが吉祥寺常連勢は、1人が7勝1敗で2日め進出確定。3人が6勝2敗でバブルマッチに挑むこととなった。そのうちの1人が、Ishida Shinpei [JPN]である。吉祥寺では「ドラゴンブラザーズ」の弟として兄弟分コンビを組んでいる、という未確認情報がある。
彼は今GPのチェックパックにおいて《タルモゴイフ/Tarmogoyf(MMA2)》を引き当てた。ノーマルながらも最高額レアであり、このカードを理由にドロップを選ぶプレイヤーがいてもおかしくはない。だがIshidaは、ドロップはせずトーナメントを戦うことを選んだ。
そして彼の目の前に置かれたトーナメント用のカードプールの中には、あの白い法務官がいたのだ。対戦相手に出されれば絶望以外感じなくなるカードだが、味方であればこれほど心強いクリーチャーもいない。ここまでの戦いを支えてきたエリシュ・ノーンは、剣が峰に立ったIshidaへ、さて再び力を貸してくれるのか?
1日め、最終戦の幕が上がる。
Game 1
さっそく初手に《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(MM2)》を引きこんだIshida。その他のカードも申し分なくキープを宣言。一方のKokubunはダブルマリガン。旗色悪し。
Kokubunはまず《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》を送り出し、Ishidaは《まばゆい魂喰い/Blinding Souleater》で応じる立ちあがり。Kokubunは構わず《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》で攻撃。下手に《まばゆい魂喰い》を失いたくないIshidaはこれをスルー。思惑どおりダメージを通したKokubunだが、マリガンの影響か後続を展開できない。
対して、Ishidaは《鎌切り/Sickleslicer》《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》と順に召喚し圧力をかけていく。これにKokubunは《呪文滑り/Spellskite》という堅牢なブロッカーを用意。《宮廷のホムンクルス》を《太陽の槍のシカール》との相討ちに差し出し、有効牌を引くまでの時間を稼ぐ。
だがIshidaは戦闘終了後、そのターンに引きこんでいた《幽体の行列/Spectral Procession》をプレイ。突如増えた3体、3点のクロックにKokubunは渋い表情だ。
だがその表情さえも長くはもたなかった。次のターン、土地を引きこんで7マナに達したIshidaの手から現れた《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(MM2)》を見ては、渋い表情どころの話ではない。
次のターンのドローを確認すると、Kokubunはカードを片付けた
Game 2
多数のカードをサイドボードから投入するKokubun。一方、Ishidaは数枚のサイドボードをチェンジするのみ。
先手Kokubunは《突風掬い/Gust-Skimmer》、《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk》と軽快な滑り出し。一方のIshidaも平地3枚から最速の《幽体の行列》で強烈なスタートを切るが、Kokubunは《まばゆい魂喰い》を追加。
Ishidaは構わず攻撃を宣言し、スピリット・トークンが1枚タップされ2点のダメージを与えたあと、初手から持っていた《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》を送りだす。
Kokubunは2枚めの《まばゆい魂喰い》で応じるのだが、出ている平地は1枚のみ。最悪2点ライフでタップ能力を使うことはできるが、なるべく早く2枚目の平地を引き込みたいところ。とりあえず生物兵器トークンを生け贄に《突風掬い/Gust-Skimmer》に《皮剥ぎの鞘》を装備してスピリットの攻撃に備える。
Ishidaは《古の法の神/Kami of Ancient Law》、Kokubunは《突風掬い》をそれぞれ追加し、Ishidaにターンが返ったところで盤面が動き始める。
戦闘開始時のリアクションがないことを確認したIshidaは《ミラディンの十字軍》とスピリット・トークン3体で攻撃。Kokubunは小考ののち、すべてブロックしないことを選択。Ishidaは《ミラディンの十字軍》を対象に《印章の祝福/Sigil Blessing》をプレイ。5/5二段攻撃&2/2飛行3体で一気に16……
「それ撃てないから!」
とここでツッコミを入れたのは、弟の試合を見守っていたドラゴンブラザーズ長兄、まいむ。指摘通り《ミラディンの十字軍》はプロテクション(緑)を持っているため《印象の祝福》の対象に取れない。Kokubunも思わず唱えかけていた呪文を引っ込める。
Ishidaは改めてスピリット・トークンを対象に《印象の祝福》を使用、《ミラディンの十字軍》は《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》で手札に戻されるも、一気に11点を叩きこみKokubunのライフを7まで落とす。《ミラディンの十字軍》を再キャストしてターン終了。
Kokubunは念願の平地2枚めを引き込み、その白マナをつぎ込んで念願の《幽体の行列》をキャスト。飛行生物の量でIshidaを追い抜いたばかりでなく、《皮剥ぎの鞘》の存在も考えるとそろそろ攻守逆転したと言ってさしつかえない状況だ。
ペースを握らせたくないIshidaは、白マナが寝ているうちと《ミラディンの十字軍》で攻撃。Kokubunは冷静に《まばゆい魂喰い》2体でブロックし1対1の相討ちとなる。戦闘後はキッカー込みで《カヴーの上等王/Kavu Primarch》を送り出すIshidaだが、あと1枚残る《まばゆい魂喰い》がにらみを利かせている。
これで安心してリソース勝負ができるようになったKokubunは、《皮剥ぎの鞘》をまとわせた《突風掬い》に飛行を与え攻撃。さらに《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》を登場させ-2で《呪文滑り》を戦場に加えリソース差を広げる。
じり貧に追い込まれつつあるIshida。実は手札にはサイドインした《練達の育種師、エンドレク・サール/Endrek Sahr, Master Breeder》が初手から《沼/Swamp》の到来を待ち望んでいた。リソース勝負となっている現状、この1枚がキャストできれば状況は再びIshidaに傾くだろう。だがとうとう、スラルの主が戦場に躍り出ることは叶わなかった。なぜならば……
なぜならば、Ishidaの次のドローは恐ろしくも美しき、白い法務官だったのだ!
《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(MM2)》!!
一瞬にしてKokubunの軍勢は骸に代わり、そして彼は手を差し出すのみだった。
Ishida, Shinpei [JPN]、2日め進出おめでとう!
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なお、対戦者本人からであれば、訂正、削除等の要請には応じます。
吉祥寺常連勢の健闘を祝し、カバレージをしたためてみた。
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Round9 Ishida, Shinpei [JPN] vs Kokubun, Hiroshi [JPN]
MMA2015を6パック使ったシールドで、パックから出て欲しいカードと言えば何だろう?大概のプレイヤーは「タルモFoil!」と答えるかもしれない。参加費どころか宿泊代や交通費までペイできる高額レアなら誰だって欲しい。
ご存知のとおりリミテッドGPではチェックパック時にドロップすることで、剥いたパックをそのままお持ち帰りできる。実際、GP千葉の会場では高額レアが出たことを理由にチェックパック時点でドロップしたプレイヤーは一定数いた。
では、値段とか関係なしにリミテッドで強いから引きたいカードは何?という問いならばどうか。よく上がるカードは《鏡の精体/Mirror Entity(MM2)》、《不敬の命令/Profane Command(MM2)》……
そして《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(MM2)》。
第8ラウンド時点で我らが吉祥寺常連勢は、1人が7勝1敗で2日め進出確定。3人が6勝2敗でバブルマッチに挑むこととなった。そのうちの1人が、Ishida Shinpei [JPN]である。吉祥寺では「ドラゴンブラザーズ」の弟として兄弟分コンビを組んでいる、という未確認情報がある。
彼は今GPのチェックパックにおいて《タルモゴイフ/Tarmogoyf(MMA2)》を引き当てた。ノーマルながらも最高額レアであり、このカードを理由にドロップを選ぶプレイヤーがいてもおかしくはない。だがIshidaは、ドロップはせずトーナメントを戦うことを選んだ。
そして彼の目の前に置かれたトーナメント用のカードプールの中には、あの白い法務官がいたのだ。対戦相手に出されれば絶望以外感じなくなるカードだが、味方であればこれほど心強いクリーチャーもいない。ここまでの戦いを支えてきたエリシュ・ノーンは、剣が峰に立ったIshidaへ、さて再び力を貸してくれるのか?
1日め、最終戦の幕が上がる。
Game 1
さっそく初手に《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(MM2)》を引きこんだIshida。その他のカードも申し分なくキープを宣言。一方のKokubunはダブルマリガン。旗色悪し。
Kokubunはまず《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》を送り出し、Ishidaは《まばゆい魂喰い/Blinding Souleater》で応じる立ちあがり。Kokubunは構わず《宮廷のホムンクルス/Court Homunculus》で攻撃。下手に《まばゆい魂喰い》を失いたくないIshidaはこれをスルー。思惑どおりダメージを通したKokubunだが、マリガンの影響か後続を展開できない。
対して、Ishidaは《鎌切り/Sickleslicer》《太陽の槍のシカール/Sunspear Shikari》と順に召喚し圧力をかけていく。これにKokubunは《呪文滑り/Spellskite》という堅牢なブロッカーを用意。《宮廷のホムンクルス》を《太陽の槍のシカール》との相討ちに差し出し、有効牌を引くまでの時間を稼ぐ。
だがIshidaは戦闘終了後、そのターンに引きこんでいた《幽体の行列/Spectral Procession》をプレイ。突如増えた3体、3点のクロックにKokubunは渋い表情だ。
だがその表情さえも長くはもたなかった。次のターン、土地を引きこんで7マナに達したIshidaの手から現れた《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(MM2)》を見ては、渋い表情どころの話ではない。
次のターンのドローを確認すると、Kokubunはカードを片付けた
Game 2
多数のカードをサイドボードから投入するKokubun。一方、Ishidaは数枚のサイドボードをチェンジするのみ。
先手Kokubunは《突風掬い/Gust-Skimmer》、《皮剥ぎの鞘/Flayer Husk》と軽快な滑り出し。一方のIshidaも平地3枚から最速の《幽体の行列》で強烈なスタートを切るが、Kokubunは《まばゆい魂喰い》を追加。
Ishidaは構わず攻撃を宣言し、スピリット・トークンが1枚タップされ2点のダメージを与えたあと、初手から持っていた《ミラディンの十字軍/Mirran Crusader》を送りだす。
Kokubunは2枚めの《まばゆい魂喰い》で応じるのだが、出ている平地は1枚のみ。最悪2点ライフでタップ能力を使うことはできるが、なるべく早く2枚目の平地を引き込みたいところ。とりあえず生物兵器トークンを生け贄に《突風掬い/Gust-Skimmer》に《皮剥ぎの鞘》を装備してスピリットの攻撃に備える。
Ishidaは《古の法の神/Kami of Ancient Law》、Kokubunは《突風掬い》をそれぞれ追加し、Ishidaにターンが返ったところで盤面が動き始める。
戦闘開始時のリアクションがないことを確認したIshidaは《ミラディンの十字軍》とスピリット・トークン3体で攻撃。Kokubunは小考ののち、すべてブロックしないことを選択。Ishidaは《ミラディンの十字軍》を対象に《印章の祝福/Sigil Blessing》をプレイ。5/5二段攻撃&2/2飛行3体で一気に16……
「それ撃てないから!」
とここでツッコミを入れたのは、弟の試合を見守っていたドラゴンブラザーズ長兄、まいむ。指摘通り《ミラディンの十字軍》はプロテクション(緑)を持っているため《印象の祝福》の対象に取れない。Kokubunも思わず唱えかけていた呪文を引っ込める。
Ishidaは改めてスピリット・トークンを対象に《印象の祝福》を使用、《ミラディンの十字軍》は《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》で手札に戻されるも、一気に11点を叩きこみKokubunのライフを7まで落とす。《ミラディンの十字軍》を再キャストしてターン終了。
Kokubunは念願の平地2枚めを引き込み、その白マナをつぎ込んで念願の《幽体の行列》をキャスト。飛行生物の量でIshidaを追い抜いたばかりでなく、《皮剥ぎの鞘》の存在も考えるとそろそろ攻守逆転したと言ってさしつかえない状況だ。
ペースを握らせたくないIshidaは、白マナが寝ているうちと《ミラディンの十字軍》で攻撃。Kokubunは冷静に《まばゆい魂喰い》2体でブロックし1対1の相討ちとなる。戦闘後はキッカー込みで《カヴーの上等王/Kavu Primarch》を送り出すIshidaだが、あと1枚残る《まばゆい魂喰い》がにらみを利かせている。
これで安心してリソース勝負ができるようになったKokubunは、《皮剥ぎの鞘》をまとわせた《突風掬い》に飛行を与え攻撃。さらに《求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker》を登場させ-2で《呪文滑り》を戦場に加えリソース差を広げる。
じり貧に追い込まれつつあるIshida。実は手札にはサイドインした《練達の育種師、エンドレク・サール/Endrek Sahr, Master Breeder》が初手から《沼/Swamp》の到来を待ち望んでいた。リソース勝負となっている現状、この1枚がキャストできれば状況は再びIshidaに傾くだろう。だがとうとう、スラルの主が戦場に躍り出ることは叶わなかった。なぜならば……
なぜならば、Ishidaの次のドローは恐ろしくも美しき、白い法務官だったのだ!
《大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite(MM2)》!!
一瞬にしてKokubunの軍勢は骸に代わり、そして彼は手を差し出すのみだった。
Ishida, Shinpei [JPN]、2日め進出おめでとう!
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なお、対戦者本人からであれば、訂正、削除等の要請には応じます。
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